廣中直行氏は心理学の研究者です。
経歴や研究分野について

廣中直行氏は1956年に山口県にて誕生し、1979年3月に東京大学 文学部 心理学科を卒業しました。
1984年3月には東京大学大学院 人文科学研究科 心理学専攻の博士課程単位取得退学しています。
1984年4月から約12年半にわたり、実験動物中央研究所の前臨床医学研究所 主任研究員として在籍し、その傍ら1993年から3年間は帝京大学の非常勤講師として教壇に立ちました。
その後、1996年11月にはイナリサーチ薬理研究部研究員に就任します。
1997年4月から4年間、理化学研究所の脳科学総合研究センターの研究員となり、2001年4月には専修大学 文学部 心理学科の教授に就任しました。
2005年4月からは科学技術振興機構 ERATO 下條潜在脳機能プロジェクトのグループリーダーとなります。
そして2010年4月からは、NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 リサーチスペシャリストとして活躍しました。
廣中直行氏は現在、日本アルコール・アディクション医学会や日本神経精神薬理学会、日本薬学会や日本薬理学会に所属しています。
主な研究分野は心理学を専攻していたため実験心理学が中心ですが、この他にも神経化学や神経薬理学、薬理系薬学にも精通しています。
研究キーワードは、情動や嗜癖、精神疾患の動物モデルや行動薬理学です。

論文や主な著作物について

論文
廣中直行氏は心理学の専門家として、様々な論文や著作物を世に送り出しています。
2014年にPsychiatria et neurologia Japonica誌上にて、「Substance related disorders and addictive disorders」というタイトルで論文を発表しました。
また2015年には、Japanese journal of alcohol studies & drug dependence誌上にて「Behavioral characteristics of nicotine seeking: a role of the nicotine-conditioned effects and other mechanisms」という論文を共同研究者と共に掲載しています。
更に2016年には日本アルコール薬物医学会誌上で、「マウスにおけるアルコールhangoverモデルに対するソルマックの効果」及び「依存・嗜癖の基礎研究からみたDSM-5」についての研究成果をまとめています。
著作物
代表的な著作物は、2001年には岩波書店から「人はなぜハマるのか」という本を出版しました。
この著書では、人間は本来ハマりやすい動物であることを説明し、ハマるということの脳内メカニズムについて科学的に説明しています。
また2003年にはNHKブックスから、「快楽の脳科学「いい気持ち」はどこから生まれるか」を出しています。
この本は人間が感じる快感や不快感について、脳の働きを通して科学的に考察した内容です。
そこからアルコール依存や薬物依存症など、社会問題となっている事柄について脳科学的な観点から論じています。
更に2013年にはこころライブラリーから、「依存症のすべて・やめられない気持ちはどこから来る?」を発表しました。
この中には依存症に陥るしくみと、そこからの回復への道のりについて、科学的にかつ分かりやすく解説しています。
これら以外にも廣中直行氏は、「心理学へのスタディガイド」や「アップルのリンゴはなぜかじりかけなのか? 」などを発表しています。
評判について

廣中直行氏はその経歴にもある通り、東京大学を卒業してから様々な研究所などで研究を行ってきました。
また大学でも教鞭をとっていた経歴があり、研究内容を分かりやすく伝えることについて評価が高い方です。
著作物についても専門外の人が読んでも分かるように、内容をかみ砕いて説明されており、一般の方にも読みやすい内容になっています。