【書評】「新世界秩序」著:ジャック・アタリ 最高知性とも謳われている「新世界秩序」とは?

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ジャック・アタリ氏が時代ごとの背景とこれからを提言

 

「ヨーロッパ最高の知性」と称えられたジャック・アタリ氏著書のビジネス書です。

わずか38歳という若さでフランス、ミッテラン政権の大統領特別補佐官を務めた経歴を持ち、1992年のEU成立においては「影の立役者」と言われています。

ジャック・アタリ氏の経歴とは

2018年11月23日

 

そんなフランスでの素晴らしい経歴を持つ彼が、世界をどう見ているのか、また歴史の流れから今後はどのような未来が待っていると予想されるのかを記した「新世界秩序」は、グローバルな事業に携わる人を中心に注目を集めている文献です。

「30年後、世界を支配するのは誰か?」というキャッチコピーと、表紙にプリントされている3人のビジネスマンが手を取り合っている姿が印象的な本で、歴史とこれからの未来について記されています。

第1部から第4部までで構成されており、第1部~第3部までは主に歴史についての記述が目立ちます。
最終的に21世紀にはどんな世界秩序となるのかを予想し提言したものが第4部にまとめられているため、前段階となる歴史についてしっかり学べる流れとなっています。

 

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順を追って理解していけます!

 

論理的で説得力がある故に恐ろしい

 

時代によってそれぞれ人々の思想は異なります。
何を正義としてきたか、「世界」というものに対してどういった考え方を持っていたかでそれぞれの秩序を形成していました。
その変化の流れを考証、分析して論理的に解説しています。

古代中世における世界秩序や、武力や宗教による統治、そして力で独裁する時代を終えて資本主義に移行した世界秩序など、流れを理解しながら読めるよう構成されています。

実際に、それぞれの時代の世界秩序を見ると、現代では理解できないような内容も多々あります。
しかし、こういった歴史があるからこそ今があり、今後につなげることができるという内容もくみ取れます。

今までの歴史的背景を考えた上での方策が提言されているため、理論的で説得力がありますが、それ故に、本当に実現すればどのような未来が待っているのだろうか、世界視点ではなく、自分視点ではどんな変化が考えられるのかなども考えさせられる本です。

 

一般論とは違う視点で楽しめるビジネス書

 

まるで1冊の教科書を読んでいるように歴史の流れを理解することができました。

ただ、政治に携わってきたジャック・アタリ氏が著者というだけあって内容も難しく、すらすらと読み進められるだけの知識が私にはなかったため、理解に少々苦労しました。
時折立ち止まりながらではありましたが、第3部まで読み終えると達成感を感じられたほどです。

そして気になる第4部ですが、ここの内容は「目先の利益を放棄して、世界が連携していくことが必要だ」という内容で話が膨らんでいます。
実際に世界中の人が仲良く、というのは多くの人が思っていることであって、戦争などの武力行使を行わなくなった現代では現実味がある方策だと言えるでしょう。
しかし、国ごとに考え方が違うのは事実で、さらに武力や宗教という形以外で権力を強めようと考えている国はたくさんあります。

グローバル化というのは、友好的な顔を持つ反面、相手国を知ることで自国を強くしようという偵察でもあると感じました。形は違えど、世界平和というのはそう簡単なことではありません。
ある程度の競争があるからこそ世界の秩序が守られ、そこには格差などの問題もあります。
これらを本当に民主的で誰もが平等だという状態にするのは、ほぼ夢物語に近いのではと思いました。

 

未来を考えることで今を考える

 

過去、現在、未来のすべての時間軸について考えさせられる本です。
そのため、過去を学びたい人や現在を見直したい人、未来を考えたい人など様々な人に適した本だと思います。








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