川島隆太氏は脳トレの火付け役です。
これまでの経歴

川島隆太氏は1959年に千葉県に生まれました。
子供の頃は勉強が好きではなく、むしろ外で活発に遊ぶタイプでした。
ただ、本を読むことは好きで本を読んで過ごす時間も長かったようです。
父親の川島勝弘は放射線医学の研究者で読書家でもあったので、本棚にはたくさんの本があり、読む本には困らなかったそうです。
中学時代に対人関係でうまくいかないことがあって、そのときに人の心を強く知りたいと思うようになり、おぼろげながら脳や心を研究したいと考えるようになりました。
高校時代に進路を考えたときに医学部を目指すことは決心していましたが、どこの大学にするかは最後まで迷いました。
東北大学と京都大学のどちらか迷っていたときに、当時佐藤宗幸氏の「青葉城恋歌」が大ヒットしていて仙台が大いに注目されていたこともあって、東北大学への進学を決意したそうです。
1978年に千葉県立千葉南高校を卒業して、浪人生活を経て東北大学医学部に入学しました。
大学時代は医学の勉強はもちろんですが、高校時代からやっていたラグビーやテニスにも熱中して時間を過ごしました。
医学部では内科、外科など医学に関して全般的に勉強しましたが、学生時代から興味のあった人の心や脳に対する関心が弱まるどころか強まりました。
そのきっかけは当時東京大学医学部で教鞭を取っていた伊藤正男氏の著書である『脳の設計図』という本に出会ったことでした。
この本に脳はコンピューターのような回路になっていていろいろな役割をそれぞれの部分で担っていることを知りました。
それで研究テーマは脳にしました。
1985年に同大学を卒業して東北大学大学院に進学して、1989年に同大学院の医学研究科を修了しました。
それから京都大学に内地留学してサルの脳を研究していく中でスウェーデンのカロリンスカ研究所のローランド医学博士の論文「Journal of Neurophysiology」を読んで感銘を受けました。
そこで同氏に手紙を書いて弟子入りを申し出たところ、同氏も助手を探していたこともあって1991年スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員になりました。
1993年に東北大学加齢医学研究所助手に、1998年に同大学の講師に、2001年に同大学未来科学技術共同研究センター教授に、2006年に同大学加齢医学研究所脳機能開発研究分野教授に就任しました。
専攻は脳機能イメージング学で医学、生命科学、心理学、認知科学、芸術学など幅広い分野の知識を必要とします。
そして執筆活動も精力的に行っています。
これまでに『脳を鍛える大人の音読ドリル』、『脳を鍛える大人の計算ドリル』、『脳を鍛える学習療法ドリル』、『スマートな脳』などの著書を出版しています。
特に、「脳を鍛える大人の計算ドリル」と「脳を鍛える大人の音読ドリル」シリーズは累計で400万部以上も売り上げました。
同氏の提唱する理論

川島隆太氏が提唱した「学習療法」が注目されたり、その学習療法を知育玩具にした「脳力トレーナー」が発売されて大ヒット商品になりました。
2005年にはニンテンドーDS用ソフトの「脳を鍛える大人のDSトレーニング」が発売されて、シリーズ累計900万本にも達しました。
これが今日の脳トレブームの火付け役になったというわけです。
個人的には同氏の考え方は非常に共感できるものです。
1日に何時間も勉強するのではなく、毎日10分くらいを継続的に反復学習することで脳を活性化させることができるというもので、認知症の脳機能を改善させることにもつながるという理論です。
私自身、このやり方を実践したところ記憶力が以前よりも上がりました。
同氏の理論には賛同だけでなく批判もありますが、心理学ではなく脳科学に基づいた実践方法なので、興味のある人は試してみることをおすすめします。
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