AI vs. 教科書が読めない子どもたち。その戦いは人間にとって吉と出るか凶と出るか。

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論理数学が専門の新井紀子氏の著書。

人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」のディレクタを務める新井氏が工場のFA化で起こった問題と同様の事がAIで起こると警鐘を鳴らしており興味深い内容でした。

 

AI世界

 

今、全世界がAIに注目しています。

単にAIが人の仕事の特定分野の置き換えにとどまらず、人工知能として人の思考までも自動化し、それをあらゆる分野で利用していく動きへ舵を取っています。

例えば、企業の頭脳的労働から、軍需産業の兵器の無人化やAI化までを視野にした研究開発が、世界的に行われています。

AIがどこまで対応出来るのかは今後の研究によりますが、ある意味とても興味がある反面、脅威も感じます。

 

目次

 

第1章MARCHに合格-AIはライバル
・AIとシンギュラリティAIはまだ存在しない/シンギュラリティとは何か
・偏差値57.1東大合格ではありません/「東ロボくん」の狙い/東ロボくんが東大に合格したらどうなるか
・AIの進化の歴史ほか
・YOROの衝撃
・ワトソンの活躍
・東ロボくんの活躍
・AIが仕事を奪う

第2章桜散る-シンギュラリティはSF
・読解力の常識の壁
・意味を理解しないAI
・Siri(シリ)は賢者か?
・奇妙なピアノ曲
・機械翻訳
・シンギュラリティは到来しない

第3章教科書が読めない-全国読解力調査
・人間は「AIにできない仕事」ができるか?
・数学ができないのか、問題文を理解していないのか?-大学生数学基本調査
・全国2万5000人の基礎的読解力を調査
・3人に1人が、簡単な文章が読めない
・偏差値と読解力

第4章最悪のシナリオ
・AIに分断されるホワイトカラー
・企業が消えていく
・そしてAI世界恐慌がやってくる

 

概要

 

今や国策でもあるAIの活用により、一気にAIブームが訪れ、巷にはAI関連本が溢れかえります。

他のブームと変わらず、輝かしい未来を取り上げる本や、AIが神になる、AIが戦争を起こす、AIは人類を滅ぼすと言った扇動的喧伝まで行われています。

しかし著者の新井紀子氏は、そうはならないと言います。

それは新井氏がAI研究の最前線でAIを見続け、AIと言えどもコンピュータと言う計算機で、計算機は計算しか出来ない。

AIや、AIを搭載したロボットも、人間の仕事を全て肩代わりしたり、人間の知的活動をも超えるには、乗り越えなければならない壁があり、数学にはまだその壁を乗り越える事が出来ていないというのが理由だそうです。

部分的には人間の仕事を代替しても、全部を代替することはないと言います。

ちょっと安心しました。

しかし楽観視は出来ないと、新井氏は警鐘も鳴らします。

新井氏の未来予想図では、安心出来ない未来が描かれてると言います。

シンギュラリティは来ないし、AIにより人間の仕事が全て奪われることも起きない。

しかし人間の多くの仕事がAIに代替される時代が既にそこまで迫ってるという話です。

因みに、シンギュラリティとは技術的特異点の事で、人工知能が発達して人間の知性を超え、人間生活が劇的変化を起こすという概念です。

目の前に迫り直ぐにも起こりうるのは、FA化でホワイトカラーに吸収されず、大量の失業者が出たのと同じく、AI化でも同様に、新しい分野の仕事に吸収されずに失業者が出る可能性がある事を指摘しています。

その危惧は、日本人の読解力の調査結果がAIと同レベルで、AIに出来ない事は人間にも出来ない可能性があり、AIで置き換えられた人達がどうなるのかが心配されると言います。

この本ではその観点からスタートし、最悪のシナリオ、未来はどうなるのかを描くと共に、一筋の光明をも示してくれています。

 

まとめ

 

AIが仕事のツールから、今や生活の中で利用される時代です。

やがて私達と一緒に働く時代はすぐそこです。

その時、自分が排除されるのか、生き残れるのか、現実的問題として考えるのに参考になる本だと思います。

 

AI研究の新井紀子氏の意外な経歴

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