AI研究の新井紀子氏の意外な経歴

<script>” title=”<script>


<script>

人工知能研究で有名な新井紀子氏。

日本の最高学府である「東京大学」の合格を目指すAIの開発にも携わっています。

多数の著書も執筆している興味深いその経歴に迫ります。

 

文系大学に進学したのに、数学者になった新井紀子氏の経歴

 

新井紀子氏は1962年10月22日生まれ、東京都小平市の出身です。

高校卒業後は一橋大学の法学部に進学しますが、大学の数学の授業で突如、数学の面白さに気づきます。

人工知能研究の第一人者である新井紀子氏が、もともと文系だったのは驚きです。

実は高校の時までは数学が嫌いだったのだそう。

しかし大学で数学に目覚めてからは方向転換し、数学者の松坂和夫教授に師事。

大学4年生に時には、イリノイ大学数学科に留学します。

1年で優等で卒業後、同大学の大学院修士課程に進学し1990年には修士号を取得します。

またプライベートでは、イリノイ大学の在学中に数学者の新井敏康氏と結婚しています。

夫である新井敏康氏は1958年生まれで、日本数学会秋季賞を受賞している人物です。

同じ数学を志す尊敬しあえるパートナーと出会ったんですね。

さて、その後すぐに新井紀子氏は数学者として活躍したわけではありません。

日本に帰国後に長女を出産し、1994年に一橋大学を卒業。

名古屋で一時専業主婦をしていました。

ですが、学問への情熱はずっと持ち続けていたようです。

夫の赴任先である広島大学の助手に着任します。

「ワーキングマザー」の先駆けですね。

ただでさえ男性の多い数学の世界で、子供を育てながら活躍していくのは大変だったのではないでしょうか。

1997年には東京工業大学大学院 情報理工学研究科 博士(理学)も取得しています。

その後の活躍は目覚ましく、内閣府の「2030年展望と改革タスクフォース委員」や文部科学省「科学技術・学術審議会 総合政策特別委員」科学技術振興機構「運営委員」などを歴任します。

2004年からは出身校である一橋大学で教鞭をふるっています。

2006年からは国立情報学研究所の教授もつとめています。

 

「AIが東大に合格できるか」という研究に参画し気づいたこと

 

2011年から参画した研究開発がとても興味深いです。

人工知能(AI)で東大合格を目指すというものです。その名も「東ロボくん」。

東ロボくんは2015年には5科目8教科全体の偏差値が57.1となり、人間の受験生の上位2割に食い込むという一定の成績を収めました。

しかし、東ロボくんは国語が苦手でした。

ビッグデータを学習してそれっぽい解答を導き出すというやり方でテストにあたりましたが、その偏差値は50に届きませんでした。

人間と違って問題文を理解したり文脈を読み解く能力がなかったんですね。

このままでは国語が足を引っ張って東大合格することはできないと結論付けられ、開発は中断されてしまいました。

開発中断は残念ですが、これが新井紀子氏の次のステップへつながったのだと思います。

東ロボくんの開発に関わる中で、「問題文を理解できず文脈が読み解けないAIよりも、成績の悪い受験生が8割もいる」という事実に着目します。

多くの受験生が、AIと同じように実は国語の問題を理解しないまま、解答しているということに気づいたのです。

AIの能力は飛躍的に伸びており、これから人間の仕事がどんどん奪われていくと予想されています。

そんな中、AIと同じやり方では当然その計算力や暗記力に負けてしまいます。

新井紀子氏はAIにできないことを人間ができるように伸ばすことが重要だという思いに至ったのでしょう。

そこで中学生や高校生の読解力を上げることを課題にあげ、2016年から「教育のための科学研究所」を設置しました。

中高生の読解力をリサーチするために「リーディングスキルテスト」も開催しています。

AIと人間がどう共存していくか、どう住み分けしていくかというのはこれからの重要課題だと思います。

このあたりの事を詳しく考える上でも、新井紀子氏の研究や著書は、とても参考になると思います。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち。その戦いは人間にとって吉と出るか凶と出るか。

2018年4月23日

【書評】「AIに負けない子どもを育てる」著:新井 紀子 子育てのみならず大人にもオススメです!

2019年10月8日

AI(人工知能)を生かした未来とは。キーテクノロジーを理解するために読むべきビジネス書とその著者一覧

2019年2月11日







コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です