アドラー心理学をわかりやすく広めた岸見 一郎氏




岸見 一郎氏といえば、古賀 史健氏との共著『嫌われる勇気』、『幸せになる勇気』でおなじみです。

岸見氏がいかにしてアドラー心理学を研究するようになったか、その経歴と人物像をご紹介します。

 

経歴

1956年、京都生まれ、高校のころから哲学者を志すようになります。

1987年、京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。

1989年からアドラー心理学を研究を始めます。

研究のきっかけは、アドラー心理学の講演に出席したとき、講師が「今この瞬間から幸せになれる」という言葉を聞いたことです。
岸見氏は、最初はそれに反発を覚えましたが、すぐに「これまで哲学者として幸福について考察してきたけれど、自分自身は幸福なんだろうか」と疑問を感じたそうです。
自分が幸せでなければ、カウンセリングに訪れたクライアントにも説得力を与えることができない、そう思った岸見氏はアドラー心理学を研究して、まずは自分が幸せになろうと決意します。

1999年に初の著作である『アドラー心理学入門 よりよい人間関係のために』が刊行されます。
以降、アドラー心理学に関する著書を定期的に執筆しています。

2013年、古賀氏との共著『嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え』が刊行されます。
同書は、2014年のビジネス書ランキングで2位、2015年のランキングでは1位を獲得するベストセラーをなります。
さらに、2015年では韓国でも年間ベストセラーで1位となりました。

2016年、『嫌われる勇気』の完結編にあたる『幸せになる勇気―― 自己啓発の源流「アドラー」の教え2』が刊行されます。
『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』の累計発行部数は合わせて200万部を超えています。
岸見氏は、現在、京都聖カタリナ高校看護専攻科非常勤講師を務める傍ら、アドラー心理学の講演やカウンセリングを精力的に行っています。

岸見 一郎氏とアドラー心理学

岸見氏は、テレビで拝見したときは、柔らかい感じで話しながらも、時々はっとさせられるようなことを指摘する、冷静で知的な方だという印象を受けました。

そんな岸見氏も、大学時代はよく当時の先生のもとに押しかけて、議論をふっかけるということをやられていたようです。

また、『嫌われる勇気』の作成にあたっては、ライターの古賀氏と毎回4時間以上の議論を、10回も重ねたようです。

納得するまで徹底的に議論をする。その根気強さが岸見氏の特徴なのでしょう。

共著の『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』は、悩みを抱える青年が哲人(哲学者)の元を訪れて、哲人の唱えるアドラー心理学に反発しながらも膝を突き合わせるという対話篇です。

もともと岸見氏は哲学を志していました。哲学は古代からある学問で、師匠と弟子が対等に議論を重ねるのが普通だったようです。

この議論の形式がわかりやすいということで、『嫌われる勇気』にも対話篇という形で反映されたようです。

岸見氏の一番の功績は、アドラー心理学をわかりやすく再構築したことでしょう。

アドラーはフロイト、ユングと並び心理学の三大巨頭と謳われていましたが、その名前は近年まで日本で大きく取り上げられることはありませんでした。

アドラーの唱える目的論は理解するのが大変で、フロイトのいう原因論のほうがシンプルでわかりやすく、日本でも長年、受け入れられてきました。

しかし、『嫌われる勇気』が刊行とともにアドラーの名前と彼の思想は日本中にじわじわと広がっていきました。そして、アドラーとフロイトの評価が逆転するようになったのです。

フロイトの原因論は、過去のトラウマが今の自分が抱えている問題に原因であり、過去は変えられないから人は変わらないということになってしまいます。

しかし、アドラーの目的論は、自分が抱えている問題に過去は関係なく、自らの境遇を正当化するために、過去の出来事のなかからトラウマに使えそうなものを持ち出している、という考えなのです。

岸見氏は、これをわかりやすく、好きな人に告白ができない赤面症の女の子を例に挙げてアドラー心理学を説明しています。

「赤面症だから告白できない」これが原因論。「告白する勇気がない。赤面症が悪いということにしておこう」これが目的論です。

目的論では、勇気さえ持てば告白ができるのです。

難しい単語を並べられるよりも、こちらの方がすぐに理解できますね。

岸見氏はこれからもアドラー心理学を通じて、悩める人々に幸せになる勇気を与えていくことと思います。

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