【書評】『天才を殺す凡人』著:北野 唯我氏が問う、才能をつぶさないための方法とは

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あなたの職場で、才能があるのにつぶされてしまった人を見たことはありませんか?
北野 唯我氏の『天才を殺す凡人』は、3種類の人間の存在と、天才が排除されるメカニズムについて教えてくれます。

 

「天才」と「秀才」と「凡人」

 

『天才を殺す凡人』は、北野 唯我氏が自身のブログで訴えかけたことをきっかけに、大きな議論を巻き起こしました。

北野氏は、ビジネスの場における人を、「天才」「秀才」「凡人」の3種類に分けました。
これは、能力差による分類ではありません。人間が考え方の基礎に持つ、「評価の軸」による分類です。

天才は「創造性」を評価の軸として生きていますが、秀才は「再現性(論理性)」、凡人は「共感性」を評価の軸としています。

この3つの評価の軸は決して変わることなく、重なり合うこともありません。そして本来、天才・秀才・凡人に優劣はありません。

問題となるのは、全体に占める3者の比率です。
大多数を占める凡人に対し、天才はほんのわずかしか存在しません。
人数の差が、圧倒的な力の差となるのです。多数決の原理を前にして、天才は為す術がありません。

秀才は凡人を見下しますが、天才は凡人に理解してもらいたいと思っています。
しかし不幸なことに、凡人には天才の異質さが理解できず、排除したいと感じてしまいます。その一方で、凡人は秀才のことを天才と勘違いしています。

 

アートとサイエンスは戦わせてはいけない

 

北野 唯我氏は『天才を殺す凡人』において、天才を測る評価基準が無いことを指摘しています。

秀才と凡人の成果は数字で表すことができますが、天才の創造性は、数字には置き換えることができないのです。唯一の基準は、周囲(秀才と凡人)からの「反発の量」だそうです。これがやっかいな事態を生んでいます。

職場の大半を占めるのは、共感性で生きる凡人です。
経営者や人事としては、周囲から反発を受ける人物をかばうわけにもいかず、結果的に天才をつぶしてしまうのです。
秀才が、天才に対して嫉妬の感情を持っていることも問題です。天才が凡人から疎外され、孤立してしまえば、秀才が最終的な大義名分を与えて天才を追い出してしまいます。

天才と秀才の間の溝は、苛烈なものです。

天才には、秀才や凡人には見えないものが見えています。それは幽霊が見えるか見えないか、と同じような状態だと、北野氏は述べています。天才が示すものは、秀才にとっては抽象的で、アートのようなものです。

これに対して秀才は、法律や学んだ知識を重んじ、理詰めの世界(サイエンス)を生きています。

アートとサイエンスは、本当は同じ土俵で戦わせてはいけないものです。
なぜなら、数字で根拠を示すことのできるサイエンスが、100%勝ってしまうからです。こうなると天才の意見は通らなくなり、成果を上げられない無能な人物と見なされ、追い落とされていくことになるのです。

 

『天才を殺す凡人』を読んで感じたこと

 

私はこれまで、職場で優秀な人物がつぶされるのを何度も見てきました。
そのたびに理不尽さに怒り、その人物を助けられなかったことを悔やんできました。

北野 唯我氏の『天才を殺す凡人』には、天才を守る方法が書かれています。

誰が天才かを見分けることができる「共感の神」や、天才・秀才・凡人の狭間に位置するキャラクター性を持つ人物を、天才との橋渡しとする方法です。
つぶされそうな天才を見つけたら、彼(彼女)とミスマッチな上司から引き離し、才能を引き出せる人物の元へ引き渡すのです。

ですが、これを実行するには、経営者や人事が、人を見る優れた目を持たなければなりません。
人事に関わる仕事をしている人、人材を育てる立場にある人には、本書をぜひ読んでもらいたいと思います。

最近、スキルやコミュニケーション力といった言葉をよく聞きます。新しい人材を採用するとき、「優秀で、発言力があって、気配りもできて…」と、求めるものが多くなりすぎている気がします。

これらは天才・秀才・凡人に分散して備わっている能力です。

すべてを備えた神のような人物も、稀にいるのかもしれませんが、現実的ではないでしょう。画一的な人格を求めるのではなく、様々な特性、様々な価値観を持った人物が集まり、お互いに分かり合おうと努力するべきです。

天才の存在は、世の中を前進させるために不可欠なものだそうです。橋渡しの存在をうまく生かしながら、天才と凡人は手を組むべきです。
そうすることで新しいものが生まれ、世に出ていくでしょう。そしてそれは、凡人にとっても幸福となると思います。理解できない不気味な存在だった天才とは、本当は凡人に認められたい、そして一緒に夢を見たいと願う人なのですから。

 

『天才を殺す凡人』は、これからのビジネス業界へ向けたエール

 

『天才を殺す凡人』は、日本企業がこれからも生き残っていくために必要なことを伝えてくれます。
1人1人と向き合い、その才能を生かすこと。それは、北野 唯我氏からの、厳しくも熱いエールではないでしょうか。

 

「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法」は、転職というものを丁寧に説明してくれるバイブル

2018年8月16日

北野 唯我の経歴

2018年8月16日








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