刻一刻と変化する現代社会では、営業の存在そのものも問われるようになってきました。
『営業はいらない』はそんな時代に生きる営業マンにピッタリの書籍です。
着々と進む新時代への流れ!もはや営業は不要なのか

何ともショッキングな題名だと思ったのが、私が『営業はいらない』を手にした時の感想です。
確かに現代社会は刻々と変化しており、ビジネスの現場でも、トレンドや流行り廃りのスピードの速さに圧倒されることも少なくありません。
しかしながら、著者である三戸政和氏も述べている通りに、既に営業という職種自体の存在が無くなりつつあるのも現実だと思います。
一例として、ネットで買い物するシーンを想像してみるとわかりやすいでしょう。パソコンやスマホなどに表示されるレコメンドによって、モノやサービスを購入する人も増えています。
商品を販売する側も、あの手この手を使って売上を伸ばそうとするのも当然のことです。
「以前から興味関心があった」や「そろそろ必要な時期だ」などのユーザーにとって抜群のタイミングを見計らって行われるのが、レコメンドの良さではないでしょうか。
でも、よくよく考えてみると、そこに営業的な要素は一切介在しておらず、販売側のちょっとしたツールを駆使するだけで、スムーズにビジネスが成立しています。
劇的に変化した現代社会!

ネット型の生命保険や株式投資はもとより、車の販売などでも、営業マンなくしても問題なくことが進んでいきます。
むしろ、大部分の購入者にとってみれば、「煩わしい営業マンがいなくて良い」というのが本音かもしれません。
営業マンをはじめ、営業に携わる人には受け入れ難い現実ですが、このように営業の果たす役割が限定的になっていることは紛れもない事実だと思います。
ここで気になるのが、営業が必要なくなる理由ではないでしょうか。
著書の中でも述べられていますが、大きく分けて二つあります。
第一の理由として、大量生産並びに大量消費の時代が終焉したことが挙げられます。
「イノベーター理論」をご存知の方も多いかもしれません。
モノやサービスの購入者を5つに分類するものですが、それぞれ、イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガールと呼ばれます。
利益を生み出すためには、イノベーターやアーリーアダプターへの浸透で終わらせることなく、いかにマジョリティ層に拡大させるかが重要。そのために必要だったのが営業です。
そして、もう一つの理由がテクノロジーの進化です。
現代における科学技術の進歩は目を見張るものがあります。人工知能やロボット、ビッグデータにフィンテックなどの登場が一気に生活を変えたと言っても言い過ぎではありません。
ドローンによる配達サービスや無人走行する自動車などが当たり前になれば、三戸政和氏も論じている通りに、一層、営業は要らなくなると思います。
ビジネスマンの理想像

三戸政和氏が『営業はいらない』の中で最も言いたかったことが、これからの営業は何をするべきかということだと思います。
言い換えれば、「これができなければ生き残れない」ということです。
著書にもある通り、具体的な生き残りの方法として3つが挙げられています。
1つ目は、セールステックを身につけて自らの営業成績を向上させること。
2つ目として、同様にセールステックを駆使できるチームの指揮官になることです。
しかしながら、この2つの方法で実際に生き残れる人の数は、ごくわずかというのが現実かもしれません。
営業として生き残るためには、3つ目の経営者になることではないでしょうか。
この点は著者である三戸氏も強調しています。
過去にも同氏は『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』という著書も出しており、自立を推奨する人です。
むやみやたらに起業することを勧めているわけではなく、しっかりとしたビジョンと戦略を持ち合わせていることが大前提になることはいうまでもありません。
実際に起業や独立を視野に入れてなくても、ビジネスマンにとって、一経営者の視点を持つことは有用です。『営業はいらない』は、そういう意味でも、参考になります。
ビジネスマンの常識!知っておきたい現実

『営業はいらない』は、営業マンのみならず、ビジネスマンの全てにとって有用です。ビジネス現場で活躍するための参考になります。
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