会社のデスクの上が書類であふれ返って仕事効率が落ちていませんか?そんな悩みを解消してくれる本をご紹介します。
概要

「捨てる。 引き算する勇気」は、断捨離という言葉で一世を風靡したやましたひでこ氏によるビジネス書です。
これまで片付けのスペシャリストとしてシリーズ本を手がけてきた人物というイメージが強かったため、ビジネスの分野でそれがどのように応用されていくのか気になって読んでみることにしました。
そもそも断捨離という言葉はヨガの世界における断行、捨行、離行という3つの哲学用語の頭文字を取ったもので、著者による造語なのだそうです。
哲学に由来する造語なのであれば、そこで展開される思想にも精神世界が絡んでくるはずです。
片付けのノウハウ本を超えてビジネス書として書かれるようになったのも自然な流れだと思いました。
実際、この本には老若男女問わず全ての人に応用できる自己探求のためのメソッドが網羅されています。
仕事の行き詰まりを生む原因となる元凶をズバズバと指摘した上でその改善策が提案されているため、納得した上で実践することができる本だと思います。
内容

この本の中には、様々なビジネスシーンで直面する片付けに関する問題が登場します。
例えば、デスクに山のように書類が積まれている状況やどれが誰だかわからないほど名刺を溜め込んでいる状況は仕事を滞らせる最大の要因です。
著者はそれを改善する手立てとして、デスクの上には現在進行中の仕事に関する書類のみを置き、読んだものはその都度捨てるということを提唱しています。
また、名刺を大事に取っておいても何の意味もないと主張しており、すぐに捨てるように勧めています。
とは言え、書類や名刺を捨てる際には色々考えて躊躇してしまうものです。
そんな人でも片付けられるように、著者はどのような判断基準で捨てていけば良いのか論理的に解説をしています。
具体的には、使用頻度と価値と感情の3つで捨てる対象を決められるということです。
書類であれば、まず最初に要るものと要らないものとを分別してから、過去と現在と未来に分類します。
この中で集中すべきものは現在取り組んでいる最中の書類です。
これのみを出しておけば自然とデスクの上が片付くという訳です。
このメソッドは、時間や人に対しても応用できると著者は言います。
時間に関しては手帳にスケジュールを書き込んで管理する時間の総量規制と題された方法が紹介されており、そのわかりやすさに感動すらおぼえました。
また、人間関係の負担を軽減するために人付き合いを整理するという考え方も私の心を軽くしてくれるものでした。
余計なものを減らして余計な時間を減らして人付き合いを減らせば、自然と生活にゆとりが生まれてきます。
ゆとりがあることで集中力が増し、良質な仕事が実現できるという好循環が起こるのです。
そのためにも、自分にとって何が本当に大事なのか見極めなければならないということを痛感しました。
断捨離は人生観を変える

先のことを心配して悲観的になってしまいがちな私に、この本は優しく活を入れてくれました。
断捨離をするということは、今を生きるために必要な余白を作る作業なのかもしれません。
早速、会社のデスクの上を片付けて今しなければならないことに集中しました。
本に書かれていたことを実践するだけで自分のデスクとは思えないほどスッキリして周りからも驚かれてしまいました。
不思議なことにこの本を読んで以降、忙しくて時間が足りなかった日々がゆとりのある楽しい世界に変化しつつあります。
ものや時間や人を整理することで心の中まで清々しくなり、人生がより良い方へと転換していきそうな感じです。
物事を先送りする怠惰と何かあった時のことを考える不安、また、もったいないという執着を捨てることこそ仕事ができる人間に生まれ変わるために必要なことだとこの本から教えられました。
折に触れて読み返したい一冊です。
余計なものを捨てて今を生きる

この本を読んで、良い仕事をするためには心の中に溜め込んだ不要な感情を捨てることが重要なのだということがわかりました。
自分の本当の気持ちに耳を傾け、ものや時間や人を引き算する勇気を持ちたいと思います。
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