本書は、1時間かかった仕事が5分で終わると謳われています。
スケジュールの立て方をはじめ、睡眠や空き時間の活用、そして資産形成まで目からウロコのノウハウが色々詰まっています。
考え方の方向性

毎日目一杯働いても成果が上がらない人がいる一方、定時で帰宅して休日も満喫しながら人並み以上の結果を残している人がいます。
1日24時間という点では人間は誰もが平等ですが、いざ仕事の成果や能力に関しては大きな不平等が生まれているのが現実です。
その要因となっているのは、時間の使い方にあるというのが本書の主張です。
全体的に合理的に書かれており、一読して読みやすい印象を受けます。
同じ著者の作品を何冊か読みましたが、本書は1、2を争うできの良さです。
タイトルと内容に整合性があり、著者の本を初めて読む人でも期待が裏切られることはないと思います。
具体的な技法を細かく紹介するというより、考え方の方向性を定める点に重きが置かれています。
著者はハワイ在住の経営者でもありますが、日常を離れた冷静な視点からあるべき人間の姿を提示しているような印象を受けました。
能力資産を増やす

「レバレッジ時間術 ノーリスク・ハイリターンの成功原則」の特徴としては、文章が非常に丁寧で読みやすいということが挙げられます。
著者の言わんとすることが簡潔に述べられており、具体的な事例に基づいた議論が展開されています。
また、不必要に細部に立ち入ることもないので、話の展開も分かりやすくまとまっています。
そのため、仕事や家事の合間に読むことができ、全体を通しても2時間ほどで読み切れます。
本書の中心メッセージは時間を有効に使うことであり、ゴールに最短距離で到達することが全ての成功のカギだと述べられています。
一度成功体験を経験することで、次からも同じルートで成功を掴めるようになるのです。
このようにして再現性を高めることができれば、どのような仕事に就いても大きな成果を上げられるようになると書かれています。
一方、時間の効率性を上げないまま、単に労働時間の延長をしても能力資産を増やすことは出来ません。
それ故、目の前のリターンだけにこだわることは謹んだほうが良いと言われています。
教えることでノウハウを磨く

能力資産を蓄えるためには、時間投資を効率的に行うことです。
それによって、成功への道筋に至るための仕組みが出来上がります。
仕組みを作ることで仕事の段取りが良くなり、スケジュールも効率的に立てられるようになります。
それが時間そのものを生み出すことに繋がり、時間資産の貯蓄に繋がると述べられています。
時間投資というものは複利の元本保証という性格があり、着手が早ければ早いほど資産の蓄えが増加します。
投資で増えた時間資産は、新たな事業や仕組みづくりに振り分けることが出来、自分の可能性を広げられます。
まさに有能な投資家が幾つもの案件を並行して扱うように、優秀な時間投資家は能力資産を増やすことが出来るのです。
事業の仕組みを作り、再現性を高められれば他者に対しても適切なアドバイザーとなることが出来ます。
そして、教えることで自分のノウハウを磨く契機になるでしょう。
時間投資で重要なこと

時間投資で重要なことは、時間密度を濃くすることと述べられています。
また、時間密度が薄いまま、早く仕上げても大した意味がないとも言われています。
時間密度を濃くするためには、先ず規則正しい仕事のスケジュールリングが挙げられます。
毎日決めた時間に仕事を開始するのは勿論、決めた時間に終わらせることが重要です。
ダラダラと仕事を伸ばしたりせず、決めた時間内に終わらせるように努めることに意味があります。
そうした時間厳守の行動が習慣化されることで、集中力というものが高まってきます。
習慣化が集中力を高めることは脳科学の世界でも実証されており、生産性の向上に活かされています。
但し、習慣化は時間投資の一環であり、成果やリターンにつなげるための手法であることを忘れてはなりません。
それ故、成果というゴールを常に念頭に置きながら、集中的に物事に取り組む姿勢を身につけることがポイントとなります。
能力資産の豊かさを身に着けるために

本書では、自分の行動が自分の時間を作ると述べられています。
時間は自分でコントロールし、アクティブに作ることが大切です。
それが時間に追われる生活からの脱出につながり、能力資産が豊かになっていくのです。
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